2016年3月20日日曜日

東海道53次ノツヅキ⑨

東海道53次ノツヅキ⑨

~由比宿から興津宿をへて江尻宿まで~

前回のお話はこちら

今月も歩いてきました東海道53次。
仕事で2日続けた休みがあまりないので、シフトができがったらすぐ月の予定を埋めるのですが、東海道を歩く日も事前に決めてありまして、天気予報を確認するとあいにくの雨。

でも雨の中歩くのもまた良いものなので、出発の数日前に手ごろなゴアテックスのレインハットを買いにモンベルへ行き準備万端 整えての出発となりました。

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朝4:30に起床、準備を整えて外をみるとまだ降りだしてない様子。
まだ暗い中始発の次の電車で向かうは品川駅。
いつも東京駅から東海道線に乗るのですが、ちょっと飽きちゃったので今日は品川まで出てから東海道線に乗ります。東京から品川に変更しても時間は変わりませんでした。

東海道線のグリーン車でのんびり熱海まで。(熱海まで爆睡)熱海から乗り換えて前回の終着点となった「蒲原駅」まで。

電車に乗ってるときに雨は猛烈な勢いでざんざん降ってました。

蒲原駅の改札を出て、レインポンチョとレインハットをかぶり出発。


蒲原駅前。
雨は結構降ってます。


駅前から北へ1本目の道が旧東海道。西へと進みます。

蒲原から由比までは距離は3.9キロしかなくさほど時間もかからず到着します。

途中東名高速道路を横切り、JR東海道線と並行するように歩いていきます。



わかりやすいように、いつもの道標もあります。

やがて神沢川に差し掛かると、雰囲気のある街道へと変わっていき、由比宿へと到達します。



お七里役所まえ。



こちらは七里ごとの宿場に設けた情報伝達の役所で健脚な役人が「お七里衆」として数人配属されていたとか。どのくらい健脚だったんだろう・・・ 籠を担ぐ人も1日50キロは客さんを乗せて走ったと聞くけど、それ以上の健脚なんでしょうか。
だとすると当時のそんな健脚「ランナー」達は現代のアスリート界でどのあたりの成績を残していくんだろう・・・ ふと考えてしまいました。

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お七里役所のすこし先に「東海道広重美術館」があります。

今回はこちらの美術館も観たくて楽しみにしていました。

雨でぬれ鼠だったのであわててポンチョを脱いで、ささっと身支度を整えて入場券を買って館内へ。
受付のお姉さんが 少し不思議な顔をしていましたが、後から気がつきましたが下ろしていた髪の毛が先の方ですがびっしゃりでした。。頭はレインハットで全然ぬれず。
洗面所でお下げ頭に三つ編みをしてから、ゆっくり館内を見て歩きます。

館内は撮影NGなので、写真はありませんが 版画をつくれる体験ができたり、歌川広重の浮世絵の解説映像が流れていたりととてもよかったです。

もちろん、浮世絵の展示もあります。

解説の映像が楽しくて、スクリーンの前にあるソファにすわってずっと見てました。

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広重美術館のあたりの敷地は、由比本陣公園としてあり、かつてはこの場所が本陣だったそうです。




また東海道由比宿交流館があり、由比宿の解説や特産品、喫茶もありました。


交流館にある由比宿の模型。


すごくよく出来ていて、かつてはこんな感じだったんだなぁ・・・ とじっくり見入りました。



本陣後の向かいには染物屋だった処があります。

さて、美術館も堪能して 次なる宿場町「興津」へと向かいます。


まだまだ雨は降っていますが、由比川を渡ります。

由比川を渡るとその先に豊積神社があります。

まだ今日は神様に参拝が出来ていないと思い、参拝をしに向かいます。


静かな神社で、雨の降る音が気持ちよく 初めてこの土地を訪れた御挨拶をさせて頂きました。

こちらの神社には紙で頂く御朱印がありました。
御朱印帳を持って歩いていましたので、300円御賽銭箱へ入れて1枚頂いて帰りました。


豊積神社の参拝を終えると、空が白く明るくなってきたようで、「あ、もうすぐ雨あがるんだなぁ」とぼんやり思いながらまた歩きはじめます。

途中、由比駅の前を通り、桜エビで有名な由比の町 美味しそうな食堂も沢山あるんですが、朝東海道線の中で朝食を食べて時間がそんなにあいていなくて おなかがすいておらず 食事屋さんを目でちらっと見つつ、もくもくと歩いていました。

由比宿での「食」をどうしようか、迷いましたが、途中 「由比宿名物 たまご餅」の看板を見てお土産に2つ購入したのでそれで「食」はクリアしたとして でも 桜エビ・・・ 後ろ髪ひかれつつ歩きます。商店街の門?にも桜エビがいて 本当に後ろ髪ひかれました。



歩いて行くと「小休み処」がありました。前回の東海道を歩いた時、富士川を越えた間の宿「岩淵」で見かけた小休本陣と同じ場所だと思います。見学もできるようだったので、中に入ると地元のおばさまが1人いらしたので 少しお話させて頂きました。

日本橋からずっと歩いて今日で9回目でここまで来たことを話し、途中の箱根越えは大変だったんじゃないか と聞かれので、今までの中で箱根越えが一番難所で大変だったことを話すと ここから先はもうあれほどの難所は無いので安心して歩きなさい、でもあれだけの難所を越えたんだから 根性もついたでしょ、と笑っていたので 「ちょっとやそっとじゃ へこたれないです 多分」と私も笑いながらしばらくおしゃべりしました。とても楽しかった。

これから「さった峠」越えがあるので御手洗い寄って行ったら?と勧められて御手洗いをお借りし、最後に御挨拶して帰ろうとしたら「ちょっと まって これ」と呼び止められて「今まで頑張って歩いてきたんだから、これ 御褒美にあげるから 頑張ってね」とおばさまから 御煎餅を頂きました。

「お母さんのおやつ、なくなっちゃうんじゃないですか?」って聞いたら「いいよ いいよ あげるから」と言ってくださって ご飯がまだだったら、この先に1軒だけご飯屋さんがあるから そこで食べていきなさい、峠を越えてもその先までずっと何もないからね と教えてくださって
お礼を言ってお休み処を後にしました。


静岡の人は今まで出会った人みんな本当にやさしくてとても親切。
とても暖かい人柄の人が多いと感じます。
やさしくして頂いていつも本当にうれしい。

私も人に親切にしようと、いつも優しくされるたび 心に思います。
何も考えなくても自然にやさしく出来たら良いんだけどな・・・と 思うのですが、なかなか難しくて日々反省してます。


東海道はやがて さった峠を越える手前の望嶽亭(茶屋だったところ)へと向かうのですがその手前にさっき教えてもらった食事処があったので「よし、峠を越える前に腹ごしらえしとこう」と入店。

桜海老のかき揚げ丼を注文。



さっくさくの桜エビがどーん!

一口食べてみると サクッとした歯ごたえの後 じんわり甘くて そのとたん海老の風味が口いっぱいに広がって めちゃめちゃ美味しい!

胃腸が弱いため、だいたい胃もたれしちゃうのですが、大丈夫でした。

生の桜海老も食べたかったのですが、これ以上おなかに入らず断念。
今度はぜったい生の桜エビを食べよう!と心に決めました。

お店を後にする頃には雨も上がり、レインポンチョとハットをザックに閉まって 歩き始めます。


昔は茶屋で、ここからの眺めが素晴らしかった事で名がついた「望嶽亭」。
峠を越す前、また峠を越した人のほっと一息入れれる場所として当時は賑わっていたんだろうな、と思います。


すぐそばに一里塚後。





道標があるのでわかりやすいです。

道は急にのぼり坂になりますが、さほどきつくは感じませんでした。


だんだん空も開けてきました。

両脇にみかんの木、その間の道を登っていくのですが なんともすがすがしい気持ち。



雨のしずくがついたみかん。 みずみずしくて すっごく美味しそう。

時折、駿河湾からの風がさーっと来て本当に気持ちがよかった。

峠を越える処に、休憩所があり御手洗いもありました。また「杖」もあり 峠越えのお伴に借りる事も出来ます。

さて東海道53次、浮世絵 歌川広重の「由比」はこちら。



さった峠を越した先にこちらの展望が見える場所となります。

こちらは現在の「由比」。



富士山が雲で見えなかったので赤マルを富士山の位置につけました。

沢山の道路が今では出来上がり、時の流れを感じますが 美しい駿河湾。 今も昔も変わりません。

浮世絵でも険しい岩肌とは異なって穏やかな駿河湾が描かれていますが、現在も穏やかな駿河湾、おんなじなんだ。と あまりにも美しい景色にすっかり心が奪われました。

本当にこの展望は綺麗で、気持ちがよかった。


海も、空も 青い。


途中、駿河湾が2色にわかれている場所があったんですが、なぜなんだろう・・・?

湾からの風、目の前に広がる青い空と海。またここを歩きたい。東海道53次が全部歩き終わったらまた来よう。そう思います。


天気は午前中とは打って変わって、晴天。 気温も上昇。Tシャツ1枚でいいくらいに。

峠を越えると、民家の広がる道へ出ます。途中道がわからなくなって さて・・?と地図を見ているとおばあちゃんが「駅ならあっちだよ」と声をかけてくださって 「あの、旧道を歩きたくて どの道でしょうか?」と聞くと「古い道? なら 右側をぐるっと まわっていく方向だよ、でも 遠いよ?いつもあっち側歩くと大変であまり行かないんだよ昔ここまで山だったんだよ」と、だいたいの地形を教えてもらってとても助かりました。

お礼を言って、「行ってきます」と言うと「行ってらっしゃい、気をつけてくんだよ」と送り出してもらってまたやさしくしてもらった事に感激して うれしい気持ちで歩きます。

峠を越えて、突き当たる道を右手側にぐるーっと 歩いていきます。


途中、常夜灯がありました。

ぐるっと迂回するような形で歩いて行くと、JRの踏切の高架下に差し掛かります。

手前に橋渡し場跡がありました。



さて、浮世絵東海道53次「興津」。


浮世絵に見える川は興津川です。

こちらが現在の様子。


浮世絵と同じアングルでの撮影は難しいので、こちらは橋渡し場跡より撮影したもの。
奥に見える川は興津川。

JRの高架下をくぐり 旧国道1号と重なりつつ、川を越え 最初の道を右手側に入り また迂回する形で旧道が続いています。

旧道はまた旧国道1号と重なり、しばらく行くと宗像神社があります。


松の木がとても立派でした。

さらに進むと常夜灯と身延山道の道標があり、その先を行くと興津宿の東本陣跡へと出ます。


道の途中にひょっこり、こんな感じであります。


興津宿はかつては本陣2軒、脇本陣2軒、旅籠34軒あった 宿場町で隣の江尻宿よりにぎわいを見せていたそうですが、今では 面影はありません。


ちょっと先に水口屋脇本陣跡があり、中は無料のギャラリーになっていましたので、見学する事に。


昔の宿帳や、食器など 展示されていました。

水口屋を後に さらに西へあるくと「坐漁荘」があります。
こちらは明治の元老・西園寺公望公の別荘。



ガイドのボランティアさんがいて、中もどうぞ入って と勧めてくださったのですが 中が畳のお部屋だったので 午前中の雨でくつしたがぬれていた事もあって 残念でしたが中の見学はあきらめて 御庭のほうをぐるっと見て回りました。

お庭から「三保の松原」が見えて、昔の海岸線は御庭のすこし手前まであったとガイドの人が教えてくださいました。

さて、興津宿から次なる江尻宿までは10.5キロ。

旧国道1号を西へ進みます。

途中1号と交差しつつ、JR東海道線を横切り、また並行していくように歩いていきます。


途中でみつけた御当地マンホール。


常夜灯も、見かけます。


こちらは細井の松原。

かつては1000本はあったとされる松も現在はこの1本のみ。
戦争時に松は伐採されてしまったようです。

戦争を境に変わってしまっている場所を東海道を歩いているときにいくつも見かけました。
もし戦争がなかったなら、どれだけ現代へと引き継がれたのでしょうか・・
時代の流れで変わってしまうものも多くあるとは思いますが、かつての姿を見てみたかったと何度も思ってしまう。。

さらに歩いて行くと、やがて清水駅付近へと道は伸びて行きます。

江尻宿は、松原を越えた先あたりより始まります


現在ではこんな感じ。

さらに行くと、商店街に差し掛かりますが、かつての宿場はこの商店街にあったそうです。

こちらがその商店街。


という事で江尻宿到着!!

時刻ももう夕方で、駅前に近い商店街を通って駅へ向かう途中 店内で静岡おでんが食べれるお店があったので、ちょこっとおでんを食べました。


美味しかった~

静岡おでんは だし粉をかけるので わさっとかけました。

***

帰りは清水駅から熱海まで出て、熱海からまた東海道線のグリーンで品川経由で帰宅。


車内で、由比で頂いたお煎餅をおつまみに、飲みながら帰宅しました。

東海道53次、まだ半分も歩いてないので まだまだ続きます。

次回は4月中に行けるといいなぁ。

来週末は愛犬さくぽんを連れて 芦ノ湖に旅行です。

つづく。

2016年3月2日水曜日

月末月初の憂鬱。

3月に入った。

月末と月初はいつも仕事が忙しく、頭がおかしくなるんじゃないだろうかと思うくらい業務に追われる。
月末の最終週の1週間と翌月の1日までがどんでも無い日々なのだ。

「心」を「亡くす」と書いて「忙しい」。
うまいこと表わしているなぁと思うけど、忙しいと本当に心を無くしてしまう。

もっと丁寧に教えたり、受け答えをしたいと思っていても とても雑になってしまう。

そんなに自分の中身を仕事に支配されたくないのだけれど、嫌だと思いつつも、雑になったまま流されてしまうのだ。

もっと 心にゆとりを持って 忙しくともうまいこと立ち回りたいと思う日々なのです。

***

さて、ようやく忙しい日々から抜け出し 今日はお休み。

ふと思い立ち、たくあんを自分で漬けてみようかと思い 近隣にあるスーパーの(家の近くには4つスーパーがある)チラシをスマートフォンから見て、大根の一番安いお店へと向かった。

1本98円の大根。

失敗したら嫌なので、2本だけとりあえず漬けてみる事にした。

漬け方を知らなかったので、あらかじめネットで調べておいた。
本来ならば11月頃より大根を干して2月までに食べ終えるのが美味しいらしい。

大根を干すところから始めるということだが、あまり遅い時期に大根を干して霜にあたるのが良くないらしいのです。

でも、思い立ったら試してみたい性分なので、時期は気にせず、だって1年中 たくあんは売っているではないか、と 私もトライしてみることにしました。

***

大根を2本買って、うきうきしながら家路へと急ぐ。

大根の葉の芯となってる葉っぱを取り除き、洗って 拭いてから太目のヒモで縛る。

大根の縛り方もネットで調べるとすぐわかりそうですが、適当に縛って良しとする。(そのあたりがちょっと雑な性格なのです)


縛った大根を持ってベランダに行き、干してみました。

本当に縛り方が雑です。

大根から「もっとうまい具合な縛り方あるでしょ!?」と抗議の声が聞こえてきそうですが、「まぁまぁ・・・ とりあえずおためしなんだし・・・」となだめておきました。

私の住んでいるマンションは階下に大家さん家族も住んでいますが、ほとんどの部屋がワンルームで構築されている為、一人暮らしの人しか住んでいません。

このマンションのベランダに大根を干している家は私の家だけだと思います。

想像したらちょっとおかしくて、愛犬のお散歩の時 通りの向こう側から自分の部屋のベランダの吊るされた大根を見て、ちょっとシュールで笑いました。


そんな休日。