2022年4月29日金曜日

日光道中21次ノオワリ⑥

 日光道中21次ノオワリ⑥

宇都宮宿から徳次郎宿、大沢宿、今市宿をへて鉢石宿へ。

前回のお話はこちら

さて、少しだけ前になりますが日光道中の続きを歩いてきました。その記録を。

2日続けた休みがありGWに入って人が多くなる前に歩いてきました

今回の道中は最後の宿、鉢石宿(日光)に宿を取っていたため、宇都宮から日光までの道のり、街道歩きをはじめてから最長の36キロほどを歩く予定でいました。

街道は日光に近づくにつれ、明かりが乏しいことも事前にわかっていたため、鉢石宿の手前、今市宿の時点で16:00に到着していないのであれば、その日は今市宿を終わりとして電車で宿まで行き、翌朝また今市宿へ戻り歩こうと、おおよそのタイムスケジュールを決めていました。鉢石宿の到着は最終で18:00。日没時間を鑑み、念のためヘッデン(ヘッドライト)もリュックに詰め、始発に乗り、宇都宮へ。前回の終着点だと東武線の宇都宮駅の方が近いのですが、接続が悪く到着時間が始発でもかなり遅くなるため、時間との闘いの今回はJRの宇都宮駅を利用。宇都宮駅でお手洗いと、飲み物・軽食を購入してタクシーを使い、前回の主着点まで向かいました。


前回は本陣跡で終わっており、道を挟んだ向かい側の追分を起点に始めます。時刻は朝8:00、通勤や通学でにぎわう通りをひっそりと旧道に反れ、歩きます。最初に小さい神社があり、参拝を。今回の旅で最後になるであろう、日光道中を無事に終えられるよう、私を自宅で待っている杏を想い手を合わせました。

宇都宮宿から最初に向かう宿 徳次郎宿までは10.5キロ。最初とくじろうしゅく、と読んでいましたが、とくじらしゅくでした。

街道は国道119号線に入り、ひたすらまっすぐ歩く。だんだんと日差しも強くなり、Tシャツ1枚に服を調整して日焼け対策をしながら歩く。(見た目はあやしくなる)

ひたすら歩いて行くと一里塚があります


最近旅にミラーレス一眼を持参しておらず、スマホですべて撮っているため、縦に撮るとサイズが微妙になります…。このあたりはまだ、桜の木に桜がいくらかのこっており、風が吹くと時折舞い落ちる桜の花びらが雪みたいで綺麗でした。

宿場の目印になる道標や、史跡もほとんどなくひたすらと歩く街道。

それでも景色は色々と変わり歩いていて楽しかったです。

りっぱな竹林や、


足元にタケノコがたくさん!あ、たけのこ~!とみていたら、草むらの中から緑色の小さな帰るがぴょこぴょこ出てきたりして可愛かった。

しばらくあるくとまた一里塚。


原型を残した塚木は、桜と榎。

東北自動車道の高架下をくぐる。かつての徳次郎宿は上・中・下と3つの宿で1つの宿となっていたそうですが、すでに宿場には入っております。

本陣の跡など、現代ではありませんが中徳次郎のあたりに智賀都神社があります

ケヤキの木は樹齢700年だそうです。

700年・・・・ 気が遠くなるような昔から人々の歴史を見てこられた尊いケヤキ、県の天然記念物に指定されています。

徳次郎宿から次の大沢宿までは9.6キロ。宇都宮から徳次郎ほど距離は無いな、と思いきや、ここはなかなか長く体力をだいぶ取られました。

街道は道があまり良くなく、かなり凸凹でアップダウンしていたりしてだいぶ足にきました。

幸い、街道沿いは樹木が多く、日差しをさえぎってもらっていたため、日光による体力を奪われる感は少なくて良かった。

特に何も目印になるようなものは無い中、ひたすら街道を歩きます。

先が長そうだったので、朝 駅で買ったおにぎりをぱくつきながら歩きました。


ひたすらまっすぐ119号線を歩く。

途中、足元をヘビが歩いていたりしてびっくりしたり、



水の張られた田んぼを吹き抜ける風が心地よく、眼を細めたり。

時刻は結構スケジュール通りに歩かないと厳しめではあるものの、のんびり歩く街道もとても良いものです。

大沢宿に入る手前にお願い地蔵があります


お地蔵様の前に石が3つあり、お願いをして 自分の選んだ石が持った時軽く感じれば願いはかなうそう。本来だと、お地蔵様の体に自分の悪い部分の箇所と同じところに赤い布を巻いて病気が治るように祈るそうですが、この3つの石で願いが叶うか見ることから 占い地蔵とも呼ばれているそうな。

街道は日光市へと入りました


あたりの景色も変わらず、時折足を止めたりして進む。


途中、並木寄進碑があり

この先に大沢宿があります。ここまで長かった・・・・

途中おにぎりを食べてなかったら絶対にばててたと思います。

大沢宿から今市宿までは7.4キロ、予定では16時には到着していないといけません。

時計をみながら、まぁ順調かな?と確認しつつ歩きます。

大沢宿からは日光の杉並木がお目見えします。

旧日光道中の杉並木を守るために、車の進入禁止エリアがいくつかあります。徒歩は入れるので、誰もいない杉並木を歩きます。

鳥の声がこだまして、ときおり小さい虫がぶんぶん飛んでいたりしつつも、杉のにおいが心地よくてとても良かったです

途中、水無の一里塚。

両塚を現代へ残しています。(こちらも特別史跡、特別天然記念物指定)

杉並木を抜けた先、途中道をそれて昼食にお蕎麦を食べました

お蕎麦はあっという間に食べ、食べたらまたすぐ街道へ戻ります。

杉並木はところどころ街道沿いにずっとあります。

途中の感じを写真でいくつか。


ヘビにも杉並木で2回、会いました。


杉並木を越え、東武日光線のガード下をくぐりるとその先、道の反対側に追分地蔵

ここまで来るとようやく今市宿です

本陣跡は今では信用金庫が建っています。

こちらは脇本陣跡。

時計を見ると16時10分前、疲れてきてペースダウンしているけど、予定通り。

鉢石宿までは8.5キロ、今日の宿はJR日光駅の正面にあるので、ちょうど街道そば。

このまま宿まで行こうと、少し休んだ後また歩き始めます。

旧道は119号より、少し道1本それたところになります。

また杉並木が続きますので、街道で撮ってきた景色を写真で。




上の写真は杉並木にある、砲弾打込杉。戊辰戦争の時官軍の砲弾が当たった杉で、幹のえぐられているところが砲弾の当たった跡。



杉並木には街灯がほとんどなく、日が暮れていたら先に進むのは困難だったと思います。

もうひたすら歩いたので、写真をいくつか載せました。この先、車道ときわどい歩道を歩いたりしつつ、鉢石宿へと入っていきます。


こちらは日光杉並木碑。JR日光駅の近く。ということで本日のお宿付近に到着。

時刻は18:00。何とかたどりつきました。

夜ご飯をテイクアウトしてお宿にチェックイン。


お宿の温泉でじっくり浸かり、足をよくもみほぐして疲れを癒しました。

***

翌朝、早めに起床し、また温泉に浸かり朝食をたらふく食べてからチェックアウト。

日光道中の起点(終点)は神橋付近にかかる日光橋の橋詰、そこで道中は終わるのです。

まだ、観光客の少ない朝の日光、とてもすがすがしい。


開店前のお蕎麦屋さん、じつはこちらがかつての本陣跡。

その先、街道から少し下ったところに鉢石。

鉢を伏せたような形状の霊石で鉢石宿の語源となったもの。


日光橋を渡ります。


日光橋橋詰到着!ということで日光道中21次、踏破!

日光道中は全6回で終わってしまい本当にあっという間でした。

さて、せっかく日光に来たので、権現様に行かねば。

日光に来ると必ず最初に参拝する本宮神社。

日光では一番古くからあり、建立は奈良時代。

本宮神社を参拝後、裏手の道から東照宮へ参ります



眠り猫。

あまり写真は撮らず、東照宮も一通り参拝して、家で待つ杏のもとへと帰ります。

と、その前に。

地元の公衆浴場でまた温泉に浸かってから、帰りました。


脱衣所で地元のおばちゃまにお会いし、少しお話しましたが洗い場は私一人だけだったので、かなりのんびり温泉に浸かれました。


さて、つぎは少しだけお休みをはさんでから奥州道中を歩こうと計画をしています。

日光道中はこれにて。

2022年4月18日月曜日

日光道中21次ノツヅキ⑤

 日光道中21次ノツヅキ⑤

小山宿から新田宿、小金井宿、石橋宿、雀宮宿をへて宇都宮宿まで

前回のお話はこちら

2日間お休みがありましたのでまた歩いて参りました日光道中。

2日間の休みの1日目で歩く予定が、雨が続き、雨の道を歩くのもな…って思い翌日に繰り越して次の日は仕事でしたが、歩いて参りました。

始発に乗り、前回の終着駅の小山駅まで

昨日の雨模様が抜けきっておらず、曇りの小山駅。晴れて気温は高くなると踏んでいたので薄着で来ていたため、寒い。一応街道歩きの時はある程度暑さを調整できる服で来てはいるものの、寒いなーと思いつつ、旧道をめざします(小山駅から5分ほど歩くと旧道に出る)

街道を歩くときは最初に出会う神社、もしくはお寺で参拝するようにしていてこの日の最初の神社、愛宕神社で参拝。


境内に鎮座する狛犬様、古いなぁと見ていたら天明5年(1785年)に建てられたものでした。古いもの、歴史のあるものがとても好きで尊く、狛犬様も1785年、200年以上もまえからこの地域の鎮守の神様の傍らでずっと人々の暮らしを見て来たんだなぁと思うと胸が熱くなります。

参拝を終えて、元気に歩きだします。終着点は宇都宮宿と決めているので30キロほど歩く予定。

県道265号線沿いを歩きますが、喜沢分岐点に追分道標があります

分岐から旧道は細道へと入ります。まだ朝の8時前、車の通りも少なく静か。

しばらく細道を歩くと一里塚があります。日本橋より21里目。

この先鉄道と並走するように歩き、また国道4号と交わりほどなくすると、新田宿に付きます。新田宿は昔の面影はありませんが、民家の一部に表札のようにかつての宿場であったことが掲示されています

本陣門を残した、青木本陣跡。


街道沿いのおうちにはみなさん表示が多くなされていました。


新田宿を出て次の小金井宿までは2.6キロ、近いです。

一度国道4号を離れて、JR小金井駅付近でまた国道4号に重なると宿場に到着。

国道4号と重なるところに一里塚があります


一里塚を越したらほどなくして本陣門を残した大越本陣跡に到着。

かつての宿場を感じる事が出来るのは、本陣跡くらいでしょうか。

小金井宿から次の石橋宿までは7.2キロ。自治医大駅付近より国道4号から道をそれます。

畑脇の道を抜けていく笹原旧道。


この旧道がとても良くて歩いていて楽しかった。朝はまだ寒かったけれどようやくお日様も登り、一気に気温が上昇。畑の土たちが温められ、畑の中の水分が蒸発していく為、土から湯気が登り、少し幻想的な感じだった。小さい黒い虫がたくさん飛んでいたけれど(のちに気になって調べたらルリチュウレンジバチっていう葉蜂だったようす)それもまた、街道歩きでは良いのです。のんびりと鼻歌まじりに歩きました。

笹原旧道を抜けたところが分岐。


また道は国道4号と重なり、ひたすらまっすぐ歩きます。国道352号線の高架下をすぎ、しばらくすると石橋宿なのですが、現在では宿場だとわかるものがほとんどなく、道にぽつんと本陣跡のみ残されていました。

さて、石橋宿から次の雀宮宿までは6.6キロ。引き続き国道4号を歩きます。

途中星宮神社があったので参拝。

星宮神社は人々の背負う星(一生)を守護しているとガイドブックに書かれていました。

日本には八百万の神様がいて、さらに人の一生まで守護してくださるとは。ありがたい気持ちで参拝しました。

雀宮宿へ入る手前で宇都宮市に入りました


そしてまた、雀宮宿もかつての宿場の面影はなく石標がぽつりとありました。


お昼13:30頃だったので、このあたりで昼食をとることに。


暑かったのでお昼はなめこおろし蕎麦に。

とっても美味しいお蕎麦でした。

雀宮宿から、目標の宇都宮宿までは7.9キロ。

途中目印になる大エノキ。

国道4号から途中日光線を越えた先で旧道は反れて東武線の高架下をくぐり、道なりに進んで行くといくつか旧町名を記した案内も出てきました。

こちらは材木町木戸跡。


マンションの片隅に掲示されていますが、かつて武家屋敷に通じる木戸があり武士が城内に通うときのみ開閉されたそうな。
遅刻は絶対できないな、と思いました。木戸閉じちゃうし…。
街道はその先、奥州道中と続く道と交差して本陣跡があります

日光道中を終えた後は奥州道中を歩く予定でいるので、このあたりはまたしばらくしてから来る事になります。

ということで、宇都宮宿到着!30キロ、よく歩きました。

この後は恒例のお風呂タイム。JR宇都宮駅を越えた位にある(本陣からさらに2キロ位かも)南大門さんで温泉に浸かってきました

さらにJRから帰るまえ、餃子も食べてから帰路につきました

次回の日光道中21次、おそらく最後になると思います。
宇都宮から予定では最後の宿場鉢石宿を目指します。
今回の街道歩きよりも距離が長く36キロほどはあるので、歩けるか微妙なのですが、一応宿を抑えたので、最後の日光道中を楽しもうと思います。

では、日光道中もう少しだけツヅク。