2021年7月3日土曜日

東海道53次ノツヅキ㉑

東海道53次ノツヅキ㉑

関宿から坂下宿

前回のお話はこちら

久しぶりの東海道53次。今回は箸休め的な東海道になりました。

4日間休みが重なったため、昼を過ぎてから自宅を出発。今回の東海道では鈴鹿峠を越える予定でいたので、前泊して峠を越えるつもりで出発。

東京駅から名古屋まではあっという間。名古屋で夜ご飯用にデパ地下で柿の葉寿司を購入し、関西鉄道に乗り亀山駅へ。関宿付近では1人で宿泊できるところがあまりないため、隣駅の亀山駅を宿泊地としました。亀山駅近のアパホテルにチェックイン。18:30頃に到着してすぐ大浴場へ。足を延ばして軽くもみつつ、ゆっくりつかり風呂上りにウェルカムドリンクでりんごジュースをもらって部屋へ。かるく夕食をとりながらTVを見て、荷物の確認。鈴鹿峠は時期的に山ヒルが出るようなので、ヒル対策装備をチェック。

しかし、梅雨時期真っただ中に来てしまったためTVでは東海地域、近畿では大雨警報が…としきりにやっていました。東海地域といっても沿岸部と山沿いではかなり差があり、亀山らへんはさほどひどい雨ではありませんでしたが、三重の災害のHPや地域情報、鉄道の運行情報、雨雲レーダーをめちゃくちゃチェックしながら就寝。 翌朝5:00起床。

部屋のカーテンを開けると、雨はやんでいるようでした。朝の情報番組で天気予報をチェックしつつ、身支度を整えてチェックアウト。関方面の始発は6:02。

電車に揺られ隣駅関駅で下車。

誰もいない関駅。早朝関宿に向けててくてく歩く。

関駅から関宿(旧道)は徒歩数分、人のいない関宿はとても静かで江戸の頃もこんな心持だったのかしら、と思いながら歩く。


道はなだらかな登りでゆっくりと朝の関宿を歩く。時折目の前を燕が横切り、民家の軒下に作った巣へ戻り雛たちに餌を運んでいた。

関の西の追分を抜ける。


旧道は国道1号と交わりつつ続きます。途中市瀬の信号のところに「ころび石」。

この石は何度片づけても街道に転がり出たという伝説の石らしい。

駐車場のところにあるため車が映らないように撮ったら、すごく寄りで撮れてしまった。石は結構大きくて人力で片づけるにはかなり無理そう。

国道添いに歩いていくと、途中坂下宿への道標があり、案内に沿って歩く。

旧道は国道から外れたり、戻ったりを繰り返しつつ歩く。途中、鈴鹿川を見た。雨が続いているのでいくらか増水している様子。鈴鹿峠の付近は土石流警戒地域でもあるので、川の様子(明らかに川が濁ってるとか、流木があるとか)を見ながら歩く。

少し雨がパラつきだしたのでレインジャケットを羽織り、レインパンツをはいた。

国道1号沿いに「藤の茶屋跡」があるはずでしたが、途中見落としてしまった。

さて、東海道53次浮世絵の「坂下宿」歌川広重は茶屋から見た筆捨山を描いています。


現在の様子はこちら。


ガスってて、筆捨山がどの峰なのかよくわからなかったのですが、その方向を撮ってみました。茶屋がわかっていたらもう少し確実な写真だったのですが…

途中一里塚がありその先を右手へと旧道はそれていきます。バス停があり、時刻表を見てみると、運行のない時間帯もありますが、日に数本ちゃんと運行している様子。


途中、途中で川の様子や鉄道の運行情報も併せてチェックしつつ歩く。

道ですれ違う住民のかたが皆さん「おはよう」と声をかけてくださった。関宿から坂下宿へ向かう間、本当に出会った方すべての方が声をかけてくださった。とっても嬉しかった。

途中、きれいな花が咲いていたり

しっとりしている山のにおいを久しぶりに嗅いだ。道なりに進んでいくと、旧坂下尋常高等小学校がある。


今は廃校になっているが昭和13年築の木造の学校でとても趣があった。

そのすぐ先に柱標がある。

さらに進み、河原谷橋を越えた先に松屋本陣跡。

坂下宿の案内板も。


ということで、坂下宿へ到着。この先、鈴鹿峠へと道は続くのですがお天気の様子からおそらく峠を越えることはできるのですが、その峠を越えた先、鉄道とのアクセスができる場所が2つ先の水口宿しかなく、ここからおよそ20キロ。水口宿の到着時刻を予測してそこから鉄道で東京へ帰るとするとすでに鉄道も一部大雨の影響で遅延している場所もちらほらと出ていることを鑑みると、残念だけれど今回はここで終着点とした方がよさそうだった。

後ろ髪がひかれつつも、外遊びに無理はぜったいに禁物、と自分に言い聞かせて坂下宿松屋本陣前で「撤収!」と大きめの号令を自分に出した。

そこからまたてくてくと来た道を戻る。しとしと降る雨に濡れてレインハットはかぶっていたものの、髪がだいぶ濡れていた。でもしっとりしていて潤う感じがする。

関宿の追分に戻ってきたころには雨も上がり、雨具を脱いでザックにしまった。

休憩は取らず、そのまま関駅へ。ちょうど電車がくる10分前だったので駅の自販機でフルーツの飲み物を買いごくごくと飲んだ。時刻表を見てみたら、1時間に1本の電車だったのでとてもラッキーだった。

関から亀山へ戻り、そこから名古屋へ。 名古屋駅で地元フラペチーノを飲んだ。

あんこが入っていて甘くておいしかった。東海道新幹線は通常運行していたので良かった(実は翌日は数時間運休となっていた)新幹線に乗車する前にホームできしめんを食べる。


あっという間に東京について、帰宅しました。

今回の東海道53次の旅は関宿から坂下宿までの6.6キロのみ歩いただけでしたが、予行練習というか、峠を越える荷物の見直しとか(ヒル対策の)出来てよかった。旅にはこんな箸休め的なこともあるよね、と思いながらまた次回へと続くのです。

東海道53次の旅、まだまだツヅク。