2023年3月25日土曜日

鎌倉街道をゆく。③

 前回のお話はこちら

さて、また鎌倉街道上道を歩いてきました。群馬県スタートだったので青春18きっぷの有効期限内にどんどん歩く算段です

前回の終着ポイント、上信電鉄の山名駅よりスタート。自宅からは始発で出かけたので8:30頃つきました

上信電鉄はICカード化されていないので、久しぶりに切符にはさみを入れていただきました

昔は改札で駅員さんが朝のラッシュ時にもハサミ入れていたなんて今では考えられないです。大変だっただろうなぁ
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山名駅から国道173号側へあるくと光台寺があります



こちらのお寺の境内では江戸時代にタバコの栽培をされていたそうな。
光台寺から鏑川を越えると、古墳の多い地域に入ります。
まず最初に伊勢塚古墳。


石室の中も見ることはできるけれど、やはり昔のお墓だしと石室の中は見ないでおきました。そばに立っていた解説によると石室の中の石組が美しいのだとか。
伊勢塚古墳からしばし歩くと七興山古墳。


七興山古墳は6世紀代の古墳の規模としては東日本最大の前方後円墳だとの事です。
たくさんの石仏様がおられますが、昔の争いで首が落ちてしまっていました。でも椿の木が満開で咲いており、石仏様たちと一緒に古墳を見守っているようでした。

近くに藤岡歴史館(無料)があるので、ちょこっと見学。古墳から出土された埴輪など見ることが出来ます。






お手洗いもお借りしてから(大事)白石稲荷山古墳を眺めながら、広大な畑のある道を歩いて行きます

写真は白石山稲荷古墳遠景。

国道254号線手前らへんに差し掛かると吉良上野介陣屋敷跡と井戸跡があります


赤穂事件は無知の為、のちほど調べておきます…
国道254号を越え、上信自動車道の高架下をくぐり、民家のわきの道をつないで歩くと千部供養塔があります


天明3年(1783年)の浅間山大噴火の様子と被害状況が石碑に記されています
浅間山からかなり距離はあるとは思っていたのですが、この付近も被害は酷かったのかも…農作物にも打撃だし、天災は本当に怖いと思う。

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歩いていた日はとても天気が良く、リュックの中に朝の電車で飲みかけのお茶が入っていましたが水分補給を細かにしないとダメそうだなぁと思いながら歩きます。
ちょうどお昼前頃だったのですが、飲食店など皆無の為、今日はお昼ご飯食べられないかも…と食料をリュックに入れてこなかった事を後悔しはじめます。
ここから先が長いのです。

神流川方面に向かって、進んで行き庚申山へ向かって歩くので道はだんだんと緩い登りになったりします。
いよいよ空腹な時、途中にセブンイレブンがぽつんとあり、喜び勇んで菓子パンを2つ買いました。人っ子一人いなかったので、お行儀は悪いけれど歩きながらパンをもぐもぐしました。
庚申山に沿うように歩き、途中教習所がありその横を抜け国道13号に出る。
国道13号を越えて畑で囲まれてる道を北上して進むと土師神社があります


こちらは相撲の祖を祀り、境内にある土俵では江戸時代出世力士らによる奉納相撲が行われていたそうです。
土師神社のすぐ先には本郷埴輪窯跡があります。


ガラスの窓越しに窯跡が見られますが、ここで埴輪など焼いていたそう。たくさんの埴輪も発掘調査の際、出土したそうです

本来の鎌倉街道はこの付近の神流川(かんながわ)をおそらく人足や渡しで渡ったと思われますが、渡し跡もなく当時どの位置から川越をしたのか不明な為、先の藤武橋を渡ります。
鎌倉街道はところどころ旧道も分断されていたり、道が不明な場所が多く東海道53次や日光道中では道が不明な場所は無かったのですが、鎌倉街道はまた少し違いますね。
なので、ガイドブックに沿って歩いてはいますが、必ずこの道!というのがあいまいなので、私もふんわりと歩くことにしました。

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神流川は群馬県と埼玉県の分岐。川を越えると埼玉県に入ります



長浜の交差点から、本来であれば渡しのついていたであろう場所まで戻り歩くのですが、その場所自体が不明なので、阿保神社などを経由して本日の終着ポイント、八高線の丹荘駅まで向かいます。



道中、いくつか庚申塔をみました。こちらの庚申塔は江戸時代に建てられたもの。
庚申というのは確か体の中に3匹の虫がいて、その人の悪事などをずっと見ていて1年に1回だか(忘れた)庚申の日に神様にその悪事を告げ口してしまうので、庚申の日にはみんなで集まって悪事をつげられないように起きていたとかなんとかだった、という話を聞いたことがあります。ちょっとググりましたら庚申塚もその庚申にちなんで建てていったようです。
普段、仕事でも多大なストレスを抱えたまま働いていて不平不満の多い私の事、私の中の3匹の虫は告げ口するのに夜から朝までかかっても足り無さそう。

そんなこんなで、八高線丹荘駅に到着。

無人駅でしたがとてもきれいな駅でした。

駅の自販機で糖分補給をして、また高崎まで出て寄りたかった銭湯がやっていなかったので、途中熊谷で下車して駅チカのさくら湯さんで汗を流してから帰路に向かいます


お昼にパンしか食べていなかったので、帰りの電車はグリーンを使いお弁当を買って食べました。

前に高崎で買った鳥飯屋さんのお弁当が熊谷でも買えてうれしかった。すごく美味しかったです。

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今回の鎌倉街道上道は古墳からはじまり、ながく田園風景を見ながら歩く旅になりました。

途中、両脇に菜の花だらけの舗装された道があり、綺麗だった。


歩きながら、街道歩きはやはり楽しいなぁと改めて思った一日でした。

鎌倉街道上道、まだまだつづく。


2023年3月14日火曜日

鎌倉街道をゆく。②

 前回のお話はこちら

さて。また鎌倉街道を歩いてきました。なるべく早い時間から行動したかった為、早起きをして始発で挑みます。

上野から高崎線に乗り換え、終点高崎まで。早起きをしたぶん寝たかったのでグリーン車を使いました。

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高崎駅でお手洗いを済ませ、駅を出るとすこし雨がぱらついていたのでレインポンチョを羽織りカッパスタイルに。(周囲に誰も居なかったので撮りました)


高崎駅西口を出て、直進 あら町の交差点を左折、興禅寺のある交差点を右折、まっすぐ行くと聖石橋ですが手前の佐藤医院入り口脇に化石があります


源頼朝の馬が驚いて蹴り上げた伝説があるそうな。

聖石橋を渡ると橋の上から見えますが中州に鳥居が見えます。こちらは聖石と言って弘法大師が腰かけたという伝説から聖石と言われるそうです


聖橋を越え、左折し道なりに行くと小祝神社。古い神社のようで、創建は不明ながらも平安時代の書物には神社の記載があるそう。




さらにさきへ行くと三島塚古墳があります


三島塚古墳からは佐野のわたし駅方面へと歩きます

少し小腹が減り、コンビニでお手洗いをお借りする時に菓子パンを買い、小休憩をはさみました。この後からパラパラとうっすらだった雨がいよいよ小降りへと変わります。ポンチョのフードを少し深めにかぶり、歩く。

烏川手前の佐野橋へ向かうあたりは畑が多く人っ子ひとりいません。


上信電鉄の高架下を過ぎ、佐野橋を渡る。

木で出来た橋で(鉄でもちろん補強されている)味わいのある橋でした。滑らない様にきをつけつつ、橋から白鷺が見えたりして何だか良かったです


佐野橋を越えた先に佐野の船歌歌碑があり、万葉集の歌が刻まれています

歌碑の先に常世神社があり、鎌倉時代の武士、佐野常世を祀る神社がありました

また佐野橋へ戻り、今度は上信電鉄の根小屋駅方面へ。

根小屋駅の先を山側へ登っていくと、ユネスコ「世界の記憶」に登録されている上野三碑のひとつ、金井沢碑があります。

ユネスコの遺産が間近で見られるのってすごい。

金井沢碑は726年に作られたもので、三家を名乗る氏族が先祖の供養と一族の繁栄を願い建てたそうな。 金井沢碑から国道71へと戻り、途中の烏川の神籠石を観てからお昼を取ることに。

写真は川の対岸に見える神籠石。

高崎は調べてみたところパスタが有名らしいので、お昼ご飯はパスタにしようと決めていました。

山名駅にほど近いカフェへ。



ちゃちゃっと入ったお店だったのですが、パスタめちゃめちゃ美味しかったです…!

ランチの後は本日の終着点、山名駅へ。

早い時間から行動していたので、もう少し散策をします。

山名駅のそばにある山名八幡宮を参拝。




山名八幡宮からわき道を登り、山ノ上地蔵尊へ。


昔このあたりは宿場だったようで、かつては山本宿としてあったそうです

近くの無人販売所で菜の花を購入。

お散歩で通りかかった地元のおばあちゃんとしばしお話をする。

以前は東京に住んで居たそうだけど群馬に移住したそうです。販売所に売っていた芋がらの食べ方を知らなかったので教えてもらったりしました。

おばあちゃんのお散歩コースが行先の山上碑とかぶっていたのでお話しながら、歩きました。

上野三碑のひとつ、山上碑。


こちらは日本の石碑の中で最古のもので天武天皇の時代、681年(!)に造立されたもの。系譜が刻まれています。

山上碑の横には山上古墳が。


古墳の中も見ることが出来ますが、中は見ず。

上野三碑のうち2つを見たので残り1つも見たくなり、無料のバスに乗って最後の多胡碑を見に行きました

こちらは多胡碑。碑文は711年に宣旨の公文書が刻まれています。

貴重な三つの石碑が見られて大満足!

多胡碑からは徒歩で上信電鉄の吉井駅まで行き、そこから上州富岡駅まで。

今回の〆の銭湯は上州富岡駅から徒歩で10分ほどの大正湯さんへ。

昔ながらの番台の銭湯ですが、おかみさんのご厚意で私だけでしたので浴室の写真を撮らせて頂きました。






湯がとても柔らかくめちゃくちゃ気持ちよかったです。また入りに行きたい…

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ということで、鎌倉街道をゆく。②はここまで。

次回は来週あたりまた歩きたいなと思います